专利摘要:
非タンパク質性非天然アミノ酸を含む化粧品組成物及びそのような組成物を用いて、皮膚に抗老化効果を与える方法を開示する。この非タンパク質性非天然アミノ酸は、皮膚老化に関わる少なくとも一つの生化学的経路に対する調節作用を有すると考えられ、特に、LOXL−1亢進剤である。なし
公开号:JP2011507864A
申请号:JP2010539558
申请日:2008-11-14
公开日:2011-03-10
发明作者:ドライヤー,ローレンス;エス プチェリンツェフ,ドミトリ;ルオ,ショチュン
申请人:エイボン プロダクツ インコーポレーテッド;
IPC主号:A61K8-44
专利说明:

[0001] 本発明は、広く、非タンパク質性アミノ酸を含む、皮膚への局所適用のための組成物、及び、皮膚に有効な効果をもたらす該組成物の使用に関する。]
背景技術

[0002] 弾性線維は、フィブリリンに富んだ微細線維(microfibril)の被膜(mantle)によって囲まれたエラスチンコアから構成される必須の細胞外マトリクス巨大分子である(非特許文献1)。弾性線維は、皮膚や肺といった組織に弾力性及び復元力を与える。成熟型の機能性弾性線維の生成は、多数の構成要素を含み、厳密に制御された堆積と多数工程を要する階層的な組立(アセンブリ)を必要とするため、その生成工程は複雑なプロセスである。エラスチン(トロポエラスチン)モノマーは、リシルオキシダーゼファミリーの少なくとの一つのメンバーによって、細胞外空間で架橋されて、エラスチンポリマーを形成する。このエラスチンポリマーは、機能型の成熟タンパク質である。フィビリリン含有微細線維は、トロポエラスチン内の架橋ドメインを整列させるための足場として機能することによって、アセンブリ工程において重要な役割を果たすと考えられる。]
[0003] リシルオキシダーゼ様1(LOXL1)は、リジン又はヒドロキシリジン側鎖の酸化的脱アミノ化によってコラーゲンとエラスチンとの架橋形成を促進する、リシルオキシダーゼファミリーのメンバーである。その生成物であるアリシン残基は、隣接ペプチドのアルデヒドと、又はペプチドリジンのε−アミノ基と自然に凝集して、共有結合による架橋を生じ得る(非特許文献2)。LOXL1は、弾性線維と関連する細胞外酵素である(非特許文献3)。LOXL1は、皮膚等価物(skin equivalent)の表皮及び真皮並びにヒトの皮膚中で発現する。LOXL1は弾性線維の形成及び弾性線維の恒常性維持に必要不可欠である。LOXL1ノックアウトマウスは、エラスチン量減少の結果としてもたらされる、メスの動物における骨盤の弛緩及び肺の拡大した空隙によって特徴づけられる結合組織の表現型を有する(非特許文献4)。微細構造的解析によって、肺及び細胞において、未発達で断片化した不連続性の弾性線維が示された。加えて、LOXL1欠損マウスでは、分娩後子宮において正常な弾性線維を堆積せず、皮膚弛緩及び血管異常をもたらし、同時にトロポエラスチンの蓄積を伴う。最近の研究において、小児由来の皮膚繊維芽細胞と比較して成人の皮膚繊維芽細胞では、LOXL1のmRNAレベルが低下することが示されている(非特許文献5)。]
[0004] 特許文献1において開示された事項が、参照により本明細書に含まれ、特許文献1は、治療に有効な量のLOXL1エンハンサー(亢進剤)を対象(被検者)に投与することを含む、弛緩性皮膚又は老人皮膚といった弾性線維の減少に関連する状態の被検者を処置する方法を開示する。LOXL1エンハンサーは、LOXL1ポリペプチド若しくはその活性断片、又はLOXL1ポリペプチドをコードする核酸若しくはその活性断片のことを言う。特許文献1では、LOXL1の発現を増加させるために、ペプチド型以外のアミノ酸を使用することについては開示されていない。]
[0005] 化粧品の構成成分として、アミノ酸の重要性が増してきている。例えば、様々な天然アミノ酸が、保湿、皮膚保護、脂腺活性の低減及び他の機能特性のために、コラーゲン及びエラスチン合成用の構成成分として化粧品に組み込まれている。しかしながら、非タンパク質性非天然アミノ酸の使用は、化粧品業界ではほとんど注目されていない。これまで、非天然アミノ酸の使用は、その大部分が、機能性ペプチドに加水分解安定性を与えることを目的とするものに限られていた。非タンパク質性アミノ酸は、その定義によれば、新規タンパク質の合成時にタンパク質に組み込まれない。そのため、非タンパク質性アミノ酸の局所適用によって、皮膚での新規タンパク質合成及び皮膚再生がもたらされるとは予測されないであろう。非タンパク質性非天然アミノ酸の特有の機能性は、ほとんど無視されてきた。また、LOXL−1を強化し、皮膚老化に関与する他の経路を調節するという非タンパク質性非天然アミノ酸の能力は、これまで知られていない。]
[0006] 米国特許出願公開第2005/0188427号明細書]
先行技術

[0007] Kiety et al.,J.Cell Sci.,2002 Jul 15;115(Pt14):2817−28)
Lucero et al.,Cell Mol.Life Sci.,2006 Oct;63(19−20):2304−16
Noblesse et al.,J.Invest.Dermatol.,2004 Mar;122(3):621−30.
Liu et al.,Nat.Genet.,2004 Feb;36(2):178−82
Genizo et al.,Exp.Dermatol.,2006 Aug;15(8):574−81.]
発明が解決しようとする課題

[0008] そのため、本願発明の目的は、非タンパク質性非天然アミノ酸を用いて皮膚でのLOXL−1生成を増加させるための新規化粧品組成物及び方法を提供することである。本願発明のさらなる目的は、非タンパク質性非天然アミノ酸を用いて、皮膚のしわといった老化のサインを処置し、改善し、及び/又は予防することを含む、皮膚外観を改善するための化粧品組成物及び方法を提供することである。]
[0009] 先の議論は、単に、この技術分野が直面する問題の本質をよりよく理解できるように示されるのであって、先行技術であることを自白するものと解釈されるべきではなく、本明細書における何れの引用文献の引用も、そのような引用文献が本願に対する「先行技術」となることを自白するものとして解釈されるべきではない。]
課題を解決するための手段

[0010] 先の目的などに基づき、驚くべきことに、ある非タンパク質性アミノ酸が、LOXL−1の潜在的な刺激因子であり、従って、皮膚中のエラスチン線維を再構築し維持するLOXL−1の能力によって、皮膚に対する複数の効果がもたらされることが期待される。LOXL−1の活性化に加えて、非タンパク質性アミノ酸は、本明細書でより詳細に説明するように、皮膚老化に関与する少なくとも一つの追加の生物学的経路において有益な役割を果たすことが期待される。なお、そのような有益性は必ずしも必要ではない。]
[0011] 本発明の一つの態様において、化粧品組成物は、エラスチン減少に由来する皮膚状態を処置するために提供され、この化粧品組成物は、化粧品として許容できる媒材中において、LOXL−1を強化する有効量の非タンパク質性アミノ酸又はその誘導体を含有する。好ましい実施形態において、非タンパク質性アミノ酸は、ヘテロ環基、好ましくはヘテロ環式芳香族基を有する側鎖を含むだろう。好ましいアミノ酸は、窒素含有ヘテロ環又は芳香族ヘテロ環基を含むだろう。本発明に係る、現在のところ好ましい非タンパク質性アミノ酸は、以下の構造を有するL4−チアゾリルアラニンである。]
[0012] 他の態様において、皮膚におけるLOXL−1を強化するのに十分な量のチアゾリルアラニン又はその誘導体を、化粧品として許容できる媒材中に含む化粧品組成物が提供される。チアゾリルアラニンは、典型的にはL−チアゾリルアラニン又はその誘導体であり、好ましくはL−4−チアゾリルアラニン又はその誘導体である。]
[0013] また、LOXL−1を強化する非タンパク質性アミノ酸又はその誘導体を、LOXL−1を強化するのに有効な量で、皮膚に局所的に適用することからなる、皮膚中のエラスチン線維の減少に由来する皮膚状態を処置する方法が提供される。非タンパク質性アミノ酸は、さらに、カルシニュ−リン阻害、β1インテグリンの発現増加、フィブロネクチンの発現増加、エンドフィリンB刺激、及びCGRPの発現増加からなる群から選択される少なくとも一つの追加の活性を有し得る。]
[0014] 本発明の他の態様において、ヒトの皮膚における小じわ(fine lines)若しくはしわ、又はたるみを処置し、改善し、及び/又は防ぐ方法が提供される。この方法は、LOXL−1を強化する非タンパク質性アミノ酸を含む組成物を皮膚に局所的に適用することからなる。ある実施形態において、非タンパク質性アミノ酸は、チアゾリルアラニン又はその誘導体であり、より典型的には、L−チアゾリルアラニン又はその誘導体であり、好ましくはL−4−チアゾリルアラニン又はその誘導体である。従って、本発明の本観点に係る小じわ又はしわを処置する方法は、L−4−チアゾリルアラニンを含む組成物を小じわ又はしわに局所的に適用することからなる。]
[0015] 本発明のこれらの態様及び他の態様は、以下の詳細な説明及び添付の図面を参照することによってより良く理解されるだろう。]
図面の簡単な説明

[0016] 本発明に係る様々な非タンパク質性アミノ酸を例示する。
本発明に係る様々な非タンパク質性アミノ酸を例示する。
本発明に係る様々な非タンパク質性アミノ酸を例示する。
本発明に係る様々な非タンパク質性アミノ酸を例示する。図1A〜図1Dに示されるアミノ酸は、単なる例示であって、これに限定されるものではない。] 図1A 図1B 図1C 図1D
[0017] 本明細書において使用される全ての用語は、特に断らない限り、それらの本来の意味を有する。]
[0018] 「アミノ酸」という用語は、概して、同一分子の中にアミノ基及びカルボキシル基を包含する有機分子をいう。「α−アミノ酸」という用語は、アミノ基とカルボキシル基が同一の炭素原子に結合しているアミノ酸をいう。「β−アミノ酸」という用語は、アミノ基及びカルボキシル基が隣接する炭素原子に結合しているアミノ酸をいう。]
[0019] 「天然アミノ酸」は、天然において生物によって合成される任意のアミノ酸を言い、標準アミノ酸であるL−アラニン、L−バリン、L−ロイシン、L−イソロイシン、L−プロリン、L−トリプトファン、L−フェニルアラニン、L−メチオニン、グリシン、L−セリン、L−チロシン、L−スレオニン、L−システイン、L−アスパラギン、L−グルタミン、L−アスパラギン酸、L−グルタミン酸、L−リジン、L−アルギニン及びL−ヒスチジン、L−オルニチンといった他の非標準アミノ酸、並びにL−4−ヒドロキシプロリンといった誘導体を含むが、これに限定されるものではない。]
[0020] 「非天然アミノ酸」は、広く、「天然アミノ酸」以外のあらゆるアミノ酸のことを言い、β−アミノ酸と同様に天然アミノ酸には見られない側鎖を有するα−アミノ酸を含むが、これに限定されるものではない。「非天然アミノ酸」はまた、天然アミノ酸と同一の構造を有するが、異なる立体化学的配置であるアミノ酸を言う。]
[0021] 「非タンパク質性アミノ酸(non−proteogenic)」は、広く、生物によってペプチド又はタンパク質に組み込まれることができないあらゆるアミノ酸のことを言い、非天然アミノ酸を含む。]
[0022] 本発明は、皮膚老化のサインを処置し、逆行させ、改善し、及び/又は予防するために、少なくとも一つの有効量の非タンパク質性アミノ酸を含む局所適用組成物を提供する。そのような皮膚老化のサインに関して、
(a)小じわ又はしわの処置、軽減及び/又は予防、
(b)皮膚の毛穴のサイズの低減、
(c)皮膚の厚み、ふくらみ及び/又は張り、
(d)皮膚の柔らかさ及び/又は柔軟性の改善
(e)皮膚のトーン、輝き及び/又は透明度の改善
(f)プロコラーゲン及び/又はコラーゲン生成の改善、
(g)エラスチンの保持及び再構築、
(h)皮膚のきめの改善及び/又は再組織化の促進、
(i)皮膚のバリア修復及び/又は機能の改善、
(j)皮膚の凹凸の改善、
(k)皮膚の艶及び/又は明るさの回復、
(l)皮膚の必須栄養素及び/又は構成要素の補充、
(m)老化及び/又は更年期による影響の軽減、
(n)皮膚の潤いの改善、及び/又は
(l)皮膚の弾力性(elasticity)及び/又は復元力(resiliency)の向上
を含むが、これに限定されるものではない。]
[0023] 実際に、本発明の組成物は処置の必要な皮膚に適用される。つまり、前述の特性の何れかが欠如若しくは低下している皮膚、又はその他に前述の特性の何れかにおける改善によって有利な効果を得る皮膚である。]
[0024] ある好ましい実施形態において、本発明の組成物及び方法は、皮膚における小じわ及び/又はしわの予防、処置及び/又は改善に向けられる。この場合、組成物は、処置の必要な皮膚、つまり小じわ及び/又はしわを有する皮膚に適用される。好ましくは、組成物は、直接小じわ及び/又はしわに適用される。この組成物及び方法は、これに限定されないが、顔、首及び/又は手の皮膚を含む、任意の皮膚表面の小じわ及び/又はしわを処置するのに適している。]
[0025] 概して、この組成物及び方法は、弾性線維の減少に由来する任意の皮膚状態を処置するのに有用である。これらの効果は、LOXL−1の生成を促進することができる組成物によって、少なくとも部分的に向上すると考えられる。言い換えると、本発明の非タンパク質性アミノ酸は、LOXL−1エンハンサー(亢進剤)である。]
[0026] 本発明に係るアミノ酸は、「遊離」型又は単量体型であり、これは、それらのアミノ酸が他のアミノ酸と共有結合していないが、その代わりに、本明細書で説明されるようにプロドラッグなどとして官能性を有してもよいことを意味する。]
[0027] 本発明の実施に有用なアミノ酸は、一つ又は複数の老化のサインを低減し、処置し又は予防する、任意のタンパク質性アミノ酸であってよい。典型的には、本発明の非タンパク質性アミノ酸は、LOXL−1を刺激することができるだろう。一つの実施形態において、非タンパク質性アミノ酸は、化学式Iの構造を有するだろう。]
[0028] ここで、nが0から4の整数であり、典型的には0から2の整数であり、好ましくは、0又は1の何れかであるので、nが0である場合、アミノ酸は、α−アミノ酸であり、nが1である場合、アミノ酸は、β−アミノ酸である。]
[0029] Rは、任意の有機置換基からなる側鎖であり、nが0(即ち、α−アミノ酸)という条件で、化学式Iのアミノ酸がL(左旋光性)構造である場合、その側鎖は、タンパク質性の、天然発生アミノ酸に存在する側鎖ではない。]
[0030] Rは、典型的に1〜20の炭素原子からなる炭化水素ラジカルであり、選択的に、酸素、硫黄及び窒素原子といった少なくとも一つのヘテロ原子を含む。好ましくは、Rは、置換又は未置換の分岐した、直鎖又は環状C1〜C20アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ベンジル、ヘテロアリール、アルキル−アリール、アルキル−ヘテロアリール、ヘテロアリール−アルキル、ヘテロアリール−アリール、二環式アルキル、アリール、又はヘテロアリールラジカル、及びこれらの組合せからなる群から選択され、ここで、前述のラジカルは、例えば、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、ハロゲン、オキソ、カルボキシ、カルボキサミド、ニトロ、アゾ、アルコキシル、アルキル、アルキルイミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、チオアルコキシ又はこれらの組合せを含む任意の部分で置換されてもよい。]
[0031] 好ましい実施形態において、Rはヘテロ環を含むだろう。ヘテロ環は、単環式又は二環式の何れでもよく、芳香族であってもよく、部分的に飽和し、又は完全に飽和していてもよい。好ましいヘテロ環は窒素原子を含むだろう。代表的なヘテロ環は、アゼチジニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾキサゾリル、フリル、イミダゾリル、イミダソリニル、イソキノリニル、イソオキサゾリル、イソオキサゾリジニル、イソチアゾリル、イソチアゾリジニル、インドリル、オキサゾリル、オキサゾリジニル、ピリル、ピロリニル、ピロリジニル、ピラゾリル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、ピリジル、ピペリジニル、ピラジニル、ピペラジニル、N−メチルピペラジニル、N−メチルアゼチジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、モルフォリニル、キノリニル、チアゾリル、チアゾリジニル、チエニル及びトリアゾリルなどを含むが、これに限定されるものではない。]
[0032] 点線は、このような構造はあまり好ましくはないが、Rが、例えばプロリン及びヒドロキシプロリンの場合のような窒素原子を有する環を形成する2価のラジカルであってもよいことを示す。]
[0033] 一つの実施形態において、アミノ酸は、式Iaで示される、ヘテロ環基を含むα−アミノ酸又はβ−アミノ酸である。]
[0034] ここで、nは、0(α−アミノ酸)又は1(β−アミノ酸)のいずれかである。]
[0035] Zは、結合を表してもよく(つまり、Zは省略され)、又は置換基Yを介して続いてヘテロ環Qと結合されるα−炭素で結合されるリンカー部分を表してもよい。ここで、Zは、典型的には、1〜10の炭素原子からなり、任意に酸素、硫黄及び窒素といった少なくとも一つのヘテロ原子の置換基を含む。典型的には、Zは、酸素、硫黄、NRN、C1〜C10のアルキル、C1〜C10のアルケニル、C1〜C10のアルキニル、C1〜C10のアリール、C1〜C10のカルボニル、C1〜C10のカルボキシル及びC1〜C10のカルバミルからなる群から選択されるだろう。ここでRNは水素、C1〜C10のアルキル、C1〜C10のアルケニル、C1〜C10のアルキニル又はC1〜C10のアリール等である。]
[0036] Zは、好ましくは、結合若しくは置換又は未置換の、分岐又は直鎖のC1〜C6アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、又はアルキル−アリール基からなる群から選択される部分であり、これに限定されないが、aが1〜6の整数である式−(CH2)a−の直鎖アルキル部、例えば、−CH2−(メチレン)、−CH2CH2−、−CH2CH2CH2−若しくは−CH2CH2CH2CH2−、aが1〜6の整数である式−(CH2)aO−若しくは−O(CH2)a−の直鎖アルコキシ部、例えば−CH2O−若しくは−OCH2−、−CH2CH2O−若しくは−OCH2CH2−、−CH2CH2CH2O−若しくは−OCH2CH2CH2−、aが上記のとおり定義される−O(CH2)aO−、又は「b」及び「c」は独立して0〜6の整数であり、RNは上記のとおり定義される、式−(CH2)bO(CH2)c−、−(CH2)bS(CH2)c−若しくは−(CH2)bNRN(CH2)c−部を含む。好ましくは、Zは、Yとα−炭素との間の単結合を表し、又はZは、−CH2−、−CH2CH2−、−CH2O−、−CH2S−、−CH2NRN−又は−(C=O)基である。一つの実施形態において、Zは(−CH2−)1〜3であり、より好ましくは、−CH2−である。]
[0037] Yは、環Qのリンカー又は結合Zへの結合部であり、典型的には炭素又はヘテロ原子であり、より典型的にはC、CH、N又はNRNから選択される。ここで、RNは上記のとおり定義される。]
[0038] Qは、Yを含む三〜十四員のヘテロ環基であり、典型的には酸素、窒素又は硫黄から選択される少なくとも一つのヘテロ原子を環内に有し、選択的に、任意の適切な結合部(例えば、任意の炭素又は窒素原子上)で環系に結合された少なくとも一つのグループR1で置換された縮合環系を含む、単環、二環又は三環系であってもよい。]
[0039] ここで、R1は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン(F、Cl、Br、I)、−OH、−NRNRN、−SH、−CN、オキソ、−CHO、−CO2H、−O−(C=O)−H、−O−(C=O)−C1〜C10アルキル、−O−(C=O)−Ar、−(C=O)−O−C1〜C10アルキル、−(C=O)−O−Ar、−(C=O)−NRNRN、−O−C1〜C10アルキル、−O−Ar、−S−C1〜C10アルキル、−S−アリール−、Ar、−C1〜C10アルキル、−NRN−CHO、−NRN−(C=O)−C1〜C10アルキル、−C1〜C10アルキル−O−C1〜C10アルキル、パーフルオロアルキル、エポキシ、アジド、チオシアネート、−SO2−RN又は窒素などから選択される。ここで、Arは、任意に置換されたアリール基であり、RNは上記のとおり定義され、置換基が2つのグループRNを含む場合、それらは環を形成してもよく、n=0という条件でα−アミノ酸の場合、式Iaの化合物はL−ヒスチジン又はL−トリプトファンではない。]
[0040] ある実施形態において、Yに加えて、少なくとも一つのヘテロ原子を含み、Yもまたヘテロ原子である場合、少なくとも一つのヘテロ原子は、N、O、S、B、Si、As又はPなどから選択され、より典型的にはN、O又はSから選択されるだろう。]
[0041] 三員のヘテロ環の非限定的な例は、アジリジン、オキシラン、チイラン、ジアジリジン及びオキサジリジンを含むが、これに限定されるものではない。4員のヘテロ環の非限定的な例は、アゼチジン、オキセタン、チエタン、ジアゼチジン、オキサゼチジン及び1,2−オキサチエタンを含むが、これに限定されるものではない。]
[0042] 五員のヘテロ環は、置換基Qに関する、本発明の一般的に好ましい実施形態である。五員のヘテロ環の非限定的な例は、ピロリジン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェン、オキサゾリジン、チアゾリジン、1,3−ジオキソラン(1,3−dioiane)、1,3−オキサチオラン(oxzthiolane)、1,3−ジチオラン、イミダゾリジン、ピラゾリジン、ピロール、フラン、チオフェン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、イミダゾール、ピラゾール、1,3,4−オキサジアゾール、1,2,4−オキサジアゾール、1,3,4−チアジアゾール、1,2,4−チアジアゾール、1,3,4−トリアゾール及び1,2,3−トリアゾールなどを含むが、これに限定されるものではない。Qは、例えば芳香族であり、完全に飽和し、又は一つ若しくは二つの二重結合を有する、以下の五員のヘテロ環から選択されてもよい。]
[0043] ]
[0044] O及び/又はSの環状置換基を含む前述の五員環の各々において、その環との結合部は硫黄又は酸素原子以外であり、これによって、YがO又はSというよりはむしろ、C、CH又はNのいずれかであることを意味すると理解されるだろう。これらの五員環は、任意に、上記のとおり定義された少なくとも一つのR1、特に好ましくは、ハロ、ヒドロキシ、オキソ、チオール、C1〜C4アルキル(例えば、メチル、エチル、イソプロピルなど)、アミノ又はジアルキルアミノからなるグループR1で官能性を有してもよい。さらに、何れの窒素原子が任意に酸化されてN−オキシドとなってもよく、何れの硫黄原子が任意に酸化されてスルホキシドになってもよい。]
[0045] Qとして適切に選択される六員環の非限定的な例は、2H−ピラン、テトラヒドロピラン、ピペリジン、1,4−ジオキサン、モルフォリン、ピペラジン、1,4−ジチアン、チオモルフォリン、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、ピリミジン、1,2,3−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,3,5−トリアジン、1,2,3,4−テトラジン及びペンタジンなどを含むが、これに限定されるものではない。Qは、例えば芳香族であり、完全に飽和し、又は一つ、二つ又は三つの二重結合を含む、以下の六員のヘテロ環から選択されてもよい。]
[0046] ]
[0047] O及び/又はSの環状置換基を含む前述の六員環の各々において、環への結合部は、硫黄又は酸素原子以外であり、これによって、YがO又はSというよりむしろ、C、CH又はNのいずれかであることを意味するということが理解されるであろう。これらの六員環は、任意に上記のとおり定義された少なくとも一つのグループR1、特に好ましくは、ハロ、ヒドロキシル、オキソ、チオール、C1〜C4アルキル(例えば、メチル、エチル、イソプロピルなど)、アミノ又はジアルキルアミノからなるR1で官能性を有してもよい。さらに、何れの窒素原子が任意に酸化されてNーオキシドとなってもよく、何れの硫黄原子が任意に酸化されてスルホキシドとなってもよい。]
[0048] 七員のヘテロ環は、1H−アゼピン、オキセピン、チエピン、1,4−ジアゼピン、1,3−ジオキセピン、1,3−ジチエピン、1H−1,3,5−トリアゼピン、1,2−オキサゼピン、1,3−チアゼピン、1,3,6−チアジアゼピン、テトラゼピン及び1,2,4,7−チアトリアゼピンなどを含むが、これに限定されるものではない。八員のヘテロ環は、アゾシン、2H−オキソシン、2H−チオシン、1,2−ジアゾシン、2H−1,4−オキサゾシン及び1,3,4−トリアゾシンなどを含むが、これに限定されるものではない。]
[0049] Qはまた、例えば、インドール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、インドリジン、イソインドール、インドリン、ベンゾキサゾール、ベンズイソキサゾール、ベンズチアゾール、ベンズイソチアゾール、ベンズイミダゾール、1H−インダゾール、キノリン、イソキノリン、キノリジナム、キナゾリン、シンノリン、キノキサリン、フタラジン、1,5−ナフチリジン、プテリジン、9H−プリン、アデニン、グアニン及びナフチリジンなどといった縮合ヘテロ環系を表してもよい。置換基Qに適した縮合ヘテロ環系の非限定的な例は、これに限定されないが、]
[0050] (i)以下の8個の原子からなる縮合ヘテロ環、]
[0051] (ii)以下の9個の原子からなる縮合ヘテロ環、]
[0052] 及び(iii)以下の10個の原子からなる縮合ヘテロ環を含むが、これに限定されるものではない。]
[0053] これらの全ては、本発明の範囲内にある様々なヘテロ環の単なる例示である。]
[0054] O及び/又はSの環状置換基を含む前述のヘテロ環系の各々において、その環への結合部は硫黄又は酸素原子以外であり、このことによって、YがO又はSというよりもむしろ、C、CH又はNのいずれかであることを意味すると理解されるだろう。縮合系において、結合部は、任意の環上の任意の適切な部位であってもよい。これらの環は、任意には、上記のとおり定義された少なくとも一つのグループR1、特に好ましくは、ハロ、ヒドロキシル、オキソ、チオール、C1〜C4アルキル(例えば、メチル、エチル、イソプロピルなど)、アミノ又はジアルキルアミノからなるグループR1で官能性を有してもよい。さらに、何れの窒素原子が任意に酸化されてN−オキシドになってもよく、何れの硫黄原子が任意に酸化されてスルホキシドになってもよい。]
[0055] 好ましい実施形態において、Qは環内にY以外の少なくとも一つのヘテロ原子を含む五又は六員環であり、このヘテロ原子は酸素、硫黄又は窒素から選択される。他の好ましい実施形態において、Qは芳香族環であるだろう。様々な実施形態において、Qはピラニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、2H−ピラニル、ピペリジル、ピペラジニル、モルフォリニル、6H−1,2,5−チアジアジニル、2H,6H−1,5,2−ジチアジニル、チアジニル、1,2−ジチアニル、1,3−ジチアニル及び1,4−ジチアニル、1,2−ジオキサニル、1,3−ジオキサニル及び1,4−ジオキサニル、1,3,5−トリアジニル又は任意に六員のヘテロ環上にグループR1の置換基を含む、上記にて挙げられた任意の六員のヘテロ環から選択される六員環である。グループQが後述するような五員環を含むことがより好ましい。]
[0056] 一つの実施形態において、本発明の非タンパク質性アミノ酸は、五員のヘテロ環基、好ましくは式Ibに係るヘテロアリール基を含むだろう。]
[0057] ここで、環Qはさらに置換基Y、T、U、V及びWによって定義される。]
[0058] nは上記の通り定義され、好ましくはα−アミノ酸又はβ−アミノ酸をそれぞれ定義するように、0又は1である。]
[0059] Zは上記のとおり定義され、好ましくは単結合又は(CH2)kユニットを表し、ここで、kは1〜3の整数であり、好ましくは1又は2であり、より好ましくはkは1であり、好ましくは、Zはメチレン基−CH2−である。]
[0060] YはC、CH又はNである。]
[0061] T、U、V及びWは、独立して、CH、CR1、N、NRN、O又はSから選択される。ここで、R1及びRNは上記のとおり定義され、環内部の点線は、その環が任意に芳香族であり、又は0(ゼロ)、一つ又は二つの二重結合を有してもよく、T、U、V及び/又はWがN(窒素原子)を表す場合、その窒素原子が任意に酸化されてN−オキシドとなってもよく、T、U、V及び/又はWがS(硫黄原子)を表す場合、その硫黄原子が任意に酸化されてスルホキシドとなってもよい。ここで、R1は好ましくはC1〜C4アルキル(例えば、メチル、エチルなど)、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、チオール、ヒドロキシル、オキソ又はハロゲンである。]
[0062] 一つの実施形態において、YはC(炭素原子)又はNであり、T、U、V及びWの少なくとも一つは、N(窒素原子)である。好ましい実施形態において、T、U、V又はWから選択される、一組の隣接する又は隣接しない置換基は、CH又はCR1を表し、他の組は独立してO(酸素原子)、N(窒素原子)、NRN又はS(硫黄原子)を表し、ここで、R1及びRNは上記のとおり定義される。]
[0063] ある実施形態において、置換基T、U、V及びWは、まとめて、以下から選択される五員環からなるであろう:チエニル(2−チエニル又は3−チエニル);フリル(2−フリル又は3−フリル);2−又は3−オキサシクロペンチル;2−又は3−テトラヒドロチオフェニル;1,2−ジチオラニル(dithiolanyl);1,3−ジチオラニル;2H−ピロリル(2H−ピロール−3−イル、2H−ピロール−4−イル又は2H−ピロール−5−イル);ピロリル(1−ピロリル、2−ピロリル又は3−ピロリル);イミダゾリル(2−イミダゾリル、4−イミダゾリル又は5−イミダゾリル);ピラゾリル(1−ピラゾリル、3−ピラゾリル、4−ピラゾリル又は5−ピラゾリル);イソチアゾリル(3−イソチアゾリル、4−イソチアゾリル又は5−イソチアゾリル);イソオキサゾリル(3ーイソオキサゾリル、4−イソオキサゾリル又は5−オキサゾリル);3−フラザニル;ピロリジニル(1−ピロリジニル、2−ピロリジニル又は3−ピロリジニル);ピロリニル(1−ピロリン−2−イル、2−ピロリン−2−イル、2−ピロリン−3−イル、2−ピロリン−4−イル、2−ピロリン−5−イル);イミダゾリジニル(1−イミダゾリジニル、2−イミダゾリジニル又は4−イミダゾリジニル);イミダゾリニル(2−イミダゾリン−2−イル、2−イミダゾリン−4−イル又は2−イミダゾリン−5−イル);ピラゾリジニル(2−ピラゾリジニル、3−ピラゾリジニル又は4−ピラゾリジニル);ピラゾリニル(3−ピラゾリン−1−イル、3−ピラゾリン−2−イル、3−ピラゾリン−3−イル、3−ピラゾリン−4−イル、3−ピラゾリン−5−イル);チアゾリル(チアゾール−2−イル、チアゾール−4−イル又はチアゾール−5−イル);オキサゾリル(オキサゾール−2−イル、オキサゾール−4−イル、オキサゾール−5−イル);1,2,3−トリアゾリル(1,2,3−トリアゾール−1−イル、1,2,3−トリアゾール−4−イル又は1,2,3−トリアゾール−5−イル);1,2,4−トリアゾリル(1,2,4−トリアゾール−1−イル、1,2,4−トリアゾール−3−イル又は1,2,4−トリアゾール−5−イル);イソチアゾリル(イソチアゾール−3−イル、イソチアゾール−4−イル又はイソチアゾール−5−イル);1H−テトラゾール(1H−テトラゾール−1−イル又は1H−テトラゾール−5−イル);及びイミジゾリル又は1,3−ジアゾリル(1,3−ジアゾール−1−イル、1,3−ジアゾール−2−イル、1,3−ジアゾール−4−イル、1,3−ジアゾール−5−イル);など、括弧中に記載されたものは、これらの基の様々な可能な結合の代表例であって、結合部に関してこれに限定するものではない。前記の各々は、本発明の個々の実施形態を表すと理解されるだろう。]
[0064] ある実施形態において、本発明に係るアミノ酸は、式Icの構造を有するだろう。]
[0065] ここで、Ωはヘテロ環であり、好ましくは五員のヘテロ環であり、好ましくは次の任意の芳香環群から選択される。]
[0066] ここで、ε1、ε2およびε3は独立して、N、NH、NRN、S又はOから選択される。結合部がε1、ε2又はε3である場合はその部位がNを表し、好ましくは、結合部ではないε1、ε2およびε3の少なくとも一つがNを表し、ここで、結合部ではない炭素原子は、上記のとおり定義されたグループR1で任意に置換されてもよく、RN及びR1は上記のとおり定義され、R1は好ましくは、C1〜C4アルキル(メチル、エチル、プロピル、イソプロピルなど)、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、チオール、ヒドロキシル、C1〜C4アルコキシ(メトキシ、エトキシなど)、チオアルキル、ヒドロキシアルキル(例えば、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチルなど)、パーフルオロメチル又はハロゲン(フルオリン、クロリン、ブロミン、イオジン)である。破線の円は、各環が任意に芳香族であり、その代わりに0(ゼロ)、一つ又は二つの二重結合を有してもよいことを示す。]
[0067] 式Icに係る好ましい実施形態において、Ωは以下から選択される。]
[0068] ここで、Xは、酸素原子、NRN又は硫黄原子の何れかである。]
[0069] R2及びR3は独立して選択され、R1について上記のとおり定義された任意の基であってもよく、好ましくは水素、ヒドロキシル、ハロゲン(F、Cl、Br、I)、NRNRN、チオール又はC1〜C4アルキル(好ましくはメチル)を表し、ここでRNは上記のとおり定義され、好ましくはそれぞれがハロゲンであり、ここで、アミノ酸はR又はSエナンチオマーの何れから構成されてもよい。好ましい実施形態において、Xは硫黄であり、R2及びR3はそれぞれハロゲンである。]
[0070] より好ましくは、アミノ酸はα−アミノ酸(n=0)であり、Ωは上記されたラジカル(i)であり、Xは硫黄であり、R2及びR3はそれぞれ水素を表し、これによって、次の構造を有する4−チアゾリルアラニン(チアゾール−4−イルアラニン)を定義する。]
[0071] 一つの実施形態において、4−チアゾリルアラニンは、4−D−チアゾリルアラニン又は4−L−チアゾリルアラニン(CAS番号119433−80−6)の何れかであり、4−L−チアゾリルアラニンであることが好ましいだろう。4−L−チアゾリルアラニンの構造を以下に示す。]
[0072] 4−L−チアゾリルアラニンは、PepTech(Burlington,MA)及びSynthetech(Albany,OR)から市販で入手可能である。4−L−チアゾリルアラニンの合成は、Dickmanらの米国特許第5,275,950号公報に記載されており、その開示の内容は、参照により本明細書に含まれる。]
[0073] 本発明の実施に適しているとされるアミノ酸の他の非限定的な例は、式IIa又はIIbのプロリンアナログ(L又はD)を含む。]
[0074] ここで、Rは上記のとおり定義され、アミノ酸はα−炭素でR又はS構造の何れかを有してよい。]
[0075] 本発明に係る非天然アミノ酸はまた、α−炭素での反転したキラリティーを有する自然発生アミノ酸の改変型を包含し、D−アラニン、D−バリン、D−ロイシン、D−イソロイシン、D−プロリン、D−トリプトファン、D−フェニルアラニン、D−メチオニン、D−セリン、D−チロシン、D−スレオニン、D−システイン、D−アスパラギン、D−グルタミン、D−アスパラギン酸、D−グルタミン酸、D−リジン、D−アルギニン及びD−ヒスチジンを含み、又はイソロイシン及びスレオニンの場合は、目的の非天然アミノ酸は[R,R]、[S,S]、[S,R]及び[R,S]ジアステレオマーである。非天然アミノ酸はまた、例えば、D.Seebach,et al.,Helv.Chim.Acta 1998,81,932,D.Seebach,et al.,Helv.Chim.Acta 1996,79,913に記載されているように天然アミノ酸のβアナログに基づいてもよく、その開示の内容は参照により本明細書に含まれる。]
[0076] 当該分野における当業者に明らかであるように、本発明のアミノ酸は両性イオン型で存在してもよい。さらに、本発明は化粧品として又は製薬的に許容できる(例えば無毒性及び/又は非刺激性)アミノ酸塩の使用を包含する。その塩は、無機若しくは有機酸又は塩基付加塩の何れであってもよい。適した酸塩は、アセテート、アジペート、アルギネート、シトレート、アスパルテート、ベンゾエート、ベンゼンスルホネート、ビスルフェート、ブチレート、カンホレート(camphorate)、カンファースルホネート、ジグルコネート、シクロペンタンプロピオネート、ドデシルスルホネート、エタンスルホネート、グルコヘプトネート、グリセロホスフェート、ヘミスルフェート、ヘプトネート、ヘキサノエート、フマレート、ハイドロクロライド、ハイドロブロマイド、ハイドロイオダイド、2−ヒドロキシ−エタンスルフェート、ラクテート、マレエート、メタンスルホネート、ニコチネート、2−ナフタレンスルホネート、オキサレート、パモエート、ペクチネート、パースルフェート、3−フェニルプロピオネート、ピクレート、ピバレート、プロピオネート、スクシネート、タートレート、チオシアネート、トシレート及びウンデカノエート(undecanoate)を含むが、これに限定されるものではない。特に好ましくは、ヒドロキシクロライド塩からなってもよい。塩基付加塩類は、亜鉛、カルシウム、ビスマス、バリウム、マグネシウム、アルミニウム、銅、コバルト、ニッケル、カドミウム、ナトリウム、カルシウムなどの金属カチオン、又はアンモニア、N,N−ベンジルエチレンジアミン、d−グルコサミン、テトラエチルアンモニウム又はエチレンジアミンなどからなるカチオンと共に形成されたものを含む。アミノ官能基及び窒素含有側鎖(例えば縮合環)を含む窒素含有基は、塩化メチル、塩化エチル、塩化プロピル、塩化ブチル、臭化メチル臭化、臭化エチル、臭化プロピル、臭化ブチル、ヨウ化メチル、ヨウ化エチル、ヨウ化プロピル及びヨウ化ブチルといったハロゲン化低級アルキル基類、硫酸ジメチル、硫酸ジエチル、硫酸ジブチル及び硫酸ジアミルといったジアルキル硫酸塩類、塩化デシル、塩化ラウリル、塩化ミリスチル、塩化ステアリル、臭化デシル、臭化ラウリル、臭化ミリスチル、臭化ステアリル、ヨウ化デシル、ヨウ化ラウリル、ヨウ化ミリスチル及びヨウ化ステアリルヨといった長鎖ハロゲン化合物類、臭化ベンジル及び臭化フェネチルといったアラルキルハロゲン化合物類などで四級化され得る。]
[0077] 本発明は、皮膚透過などを改善するため、プロドラッグ型アミノ酸の使用も含む。本明細書において、プロドラッグは、本発明のアミノ酸へとin vivoで変換される化合物を意味する。プロドラッグは、アミノ基、カルボキシル基又はその両方から得られてもよい。これらの官能基を修飾するために適したプロドラッグ誘導体は、当業者によく知られており、例えば、Textbook of Drug Design and Discovery,Third Edition(2002),Chapter14,pp.411−458に記載されており、この内容は、参照により本明細書に含まれる。]
[0078] 本発明に係る非タンパク質性アミノ酸は、結果として生じる化合物がin vivoで遊離アミノ酸に加水分解されるかどうかに関わらず、C1〜C16アシル誘導体を含むN−アシル誘導体類、又はこれに限定されないが、C1〜C10アルキルエステル誘導体を含むエステル誘導体類で官能性を有してもよい。一つの実施形態において、非タンパク質性アミノ酸は、その脂溶性を向上させるためにC1〜C16N−アシル誘導体を与えられる。]
[0079] 塩、プロドラッグ、N−アシル誘導体及びエステルは、本明細書では、まとめて遊離アミノ酸の「誘導体」と呼ばれる。]
[0080] 本発明に係る化粧品組成物は、局所適用のための様々な形状に調合され得、重量で約0.0001%〜約90%、好ましくは重量で約0.0001%〜約20%、より好ましくは重量で約0.001%〜約10%、最も好ましくは重量で約0.001%〜約1%の前述の少なくとも一つの非タンパク質性アミノ酸を含むであろう。]
[0081] その組成物は、油中水滴型エマルション又は水中油滴型エマルジョン、化粧水、クリーム、美容液、スプレー、スティック又は局所適用に適した他の形態として調合され得る。]
[0082] その組成物は、増量剤、乳化剤、抗酸化剤、界面活性剤、膜形成剤、キレート剤、ゲル化剤、増粘剤、皮膚軟化剤、保湿剤、湿潤剤、ビタミン類、ミネラル類、粘度及び/又レオロジー改変剤、日焼け防止剤、角質溶解剤、脱色素剤、レチノイド、ホルモン化合物、α−ヒドロキシ酸、α−ケト酸、抗抗酸菌剤、抗真菌剤、抗菌剤、抗ウイルス剤、鎮痛薬、脂質組成物、抗アレルギー剤、H1ブロッカー又はH2ブロッカーである抗ヒスタミン剤、抗炎症剤、抗刺激剤、抗癌剤、免疫賦活剤、免疫抑制剤、抗ニキビ剤、麻酔薬、消毒剤、防虫剤、皮膚冷化化合物、皮膚保護剤、皮膚浸透促進剤、剥離剤(exfollient)、潤滑剤、香料、着色剤、脱色剤、色素沈着抑制剤、保存料、安定剤、医薬品、光安定化剤、日焼け止め剤又はこれらの組合せを含む、当業者にとって明らかな他の化粧料及び媒材(賦形剤)を任意に含んでもよい。前述に加えて、本発明の化粧品組成物は、皮膚疾患を処置するための任意の他の組成物を含んでもよい。]
[0083] 本発明はまたは、老化の皮膚科的サインを低減し、改善するのに十分な期間、本発明に係る組成物を含む組成物を、影響を受けた領域を被うように局所的に適用することによって老化皮膚を処置するための方法を提供する。この組成物は、所望の抗老化効果が得られるのに必要な期間、24時間あたり1〜3回、皮膚に局所的に適用されるだろう。処置計画は、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも4週間、少なくとも8週間又は少なくとも12週間、毎日塗布することを含んでもよい。]
[0084] この方法は、年齢による皮膚老化及び内因性の皮膚老化の両方と関連する皮膚変化の処置を含む。この方法は、UVによるダメージを受けた皮膚の処置に特に有用であると考えられる。]
[0085] 本発明の組成物及び方法は、概して、乾癬の処理に向けられるものではない。そのため、一つの実施形態において、本発明は、4−L−チアゾリルアラニンといった本明細書に記載された少なくとも一つのアミノ酸の、乾癬に冒されていない皮膚への局所適用に向けられる。しかしながら、ある皮膚が、しわ、たるみといった皮膚老化のサインによって影響を受けている場合、その皮膚領域を処置するために、乾癬にも冒された同一領域の皮膚にアミノ酸組成物を局所的に適用することは、本発明の範囲内である。]
[0086] 1.1 実施例1:L−4チアゾリルアラニンによるLOXL1活性の刺激
リシルオキシダーゼ様1(lysyl oxidase−like1「LOXL1」)酵素は、エラスチンポリマーの再生の鍵となる制御因子であることが明らかとなった。エラスチンポリマーは、弾性特性を有し、皮膚に含まれ、結合組織をもたらす細胞外マトリクス組成物である。エラスチンは、思春期を過ぎると生成されないと考えられ、その後、抗エラスターゼ−エラスターゼ活性のバランスの結果として、エラスチン線維が維持される。加齢に伴い、その競合活性のバランスが崩れ、エラスチン含有組織において弾力性が失われる。皮膚に関しては、弾力性の喪失は、通常、しわとして現れる。]
[0087] 再生/分解(即ち、抗エステラーゼ/エステラーゼ活性)の正確な機構は、分かっていないが、LOXL−1が「抗エステラーゼ」因子として同定されており、トロポエラスチンモノマーの重合化によってエラスチン線維の再生が図られる(例えば、Kaganet al.,2003,J.Cell.Biochem.,88:660−672及びLi et al.,2004,Nat.Genet.36:178−182を参照、これらはそれぞれ、参照によりその全体が本明細書に含まれる。)従って、LOXL−1の転写及び/又は翻訳又はLOXL−1活性を強化するように働く薬剤は、「抗エステラーゼ」活性を増加させてエラスチン繊維の再生を促進し、エラスチン含有組織の弾力性を改善すると考えられる。L−4−チアゾリルアラニンのLOXL1発現誘導能は、ルシフェラーゼレポータシステムを用いて分析された。LOXL1制御因子を含む培養細胞へのL−4チアゾリルアラニンの添加により、コントロールに比べて、レポーター遺伝子の発現が有意に誘導されることが明らかとなった。]
[0088] 1.1.1 材料及び方法
ベクターの構築、トランスフェクション及び発現:当業者に知られている標準的な方法を用いて、使用説明書に従って、LOXL−1遺伝子のプロモーター領域を単離し、pGL3ルシフェラーゼレポータープラスミド(Promega)にクローニングした。LipofectAMINE(登録商標)LTX試薬(Invitrogen)を用いて使用説明書に従い、LOXL−1/pGL3ベクター及び制御因子を含まないコントロールベクターpRL−NULL(Promega)を、ヒト線維肉腫細胞株HTI080へと共遺伝子導入した。]
[0089] 遺伝子導入された細胞を、24時間、回復させた。その後、培地を様々な濃度のL−チアゾリルアラニンを含む新鮮な培地に置き換え、遺伝子導入された細胞を24時間培養した。]
[0090] 続いて、培養細胞をPBSで洗浄し、25cm2培養領域あたり100μl細胞溶解緩衝液に曝し、30分間室温でゆっくり振とうした。その後、細胞溶解物を含む培養フラスコを、すぐに−80℃に置いた。]
[0091] レポーター活性の決定]
[0092] レポーター遺伝子である蛍ルシフェラーゼの活性を、使用説明書(Dual−Luciferase(登録商標)Reporter Assay System,Promega)に従って決定した。簡単に言うと、ウミシイタケ(Renilla reniformis)由来の第2のルシフェラーゼ遺伝子をコードするコントロールベクターの活性と比較して、レポーター遺伝子の活性を決定した。制御配列活性の変化率を決定するために、試験及びコントロール培養からのそれら遺伝子の相対活性を比較する。]
[0093] 1.1.2 結果
pGL3ベクターは、ルシフェラーゼ遺伝子を制御するための必須のプロモーター領域を欠いているので、この遺伝子の発現は、クローニングされた制御因子によって制御される。この場合、この制御因子はLOXL1遺伝子の制御因子である。3重試験において、1μg/mlのL−4チアゾリルアラニンの添加によって、レポーター遺伝子の発現が57%増加することが分かった(p<0.05)。従って、L−4チアゾリルアラニンは、LOXL1の発現の正の制御因子として示され、エラスチン再生に対する二次的な効果が示唆される。]
[0094] 1.2 実施例2:炎症経路のL−4チアゾリルアラニンによる阻害
老化皮膚の共通の症状は、赤みを帯びた領域及び乾燥した領域、鱗状の皮膚として現れる、湿疹様損傷の出現である。その因果関係は分からないが、これらの領域は、慢性炎症と関連することが知られている。従来、そのような損傷は、しばしば、局所用コルチコステロイドで処置された。しかしながら、ステロイドの長期使用は、当該分野においてよく特徴付けられている多くの副作用(例えば、皮膚萎縮症、皮膚線条、脱色素症及び毛細血管拡張症)と関連することが分かっている。2000年に、湿疹の局所適用のための2つの新規薬剤、PROTOPIC(登録商標)(タクロリムス(tacrolimus))及びELIDEL(登録商標)(ピメクロリムス(pimecrolimus))が承認された。これらの薬剤は、それ以来、複数の炎症性皮膚疾患の治療に有効であることが示されている。]
[0095] タクロリムス及びピメクロリムスは、タンパク質ホスファターゼ2B(「PP2B」)としても知られるセリン/スレオニンプロテアーゼカルシニューリン阻害剤である。カルシニューリン阻害剤は、NFAT(活性型T細胞の核因子)の脱リン酸化を遮断して、炎症性サイトカイン群の生成を抑制する(例えば、Bekersky et al,2001,J.Am.Acad.Dermatol.441:S17−S27を参照し、その全体が参照により本明細書に含まれる)。局所的に使用される際、カルシニューリン阻害剤は、局所的な皮膚の刺激を正に制御し得る。]
[0096] 体外でのホスファターゼアッセイが、Lー4チアゾリルアラニンのカルシニューリン活性を調節する能力を評価するために使用された。L−4チアゾリルアラニンは、量依存的にカルシニューリン活性を制御することが明らかとなった。]
[0097] 1.2.1 材料及び方法
体外でのホスファターゼアッセイ:カルシニューリン活性の調節は、当該分野においてよく特徴付けられたDiFMUP((6,8−ジフルオロ−7−ヒドロキシ−4−メチルクマリンホスフェート)ホスファターゼアッセイを用いて測定される(例えば、Wegner et al.,2007,MethodsMol.Biol.365:61−69を参照し、その全体が、参照により本明細書に含まれる)。DiFMUPの脱リン酸化は、高い蛍光を有する、安定な生成物Di4MUの形成をもたらす。]
[0098] L−4−チアゾリルアラニンの濃度を変えて、50mMのTris−HCL(pH7.4)、0.0125%のBSA、0.1mMのCaCl、400U/mlのカルモジュリン及び1mMのNiClからなる反応緩衝液に添加した。L−4チアゾリルアラニン/反応緩衝液混合物を、30分間37℃でインキュベートした。その後、DiFMU基質を10μMの濃度になるように添加して、その混合物を37℃に戻し、更に15分間インキュベートした。蛍光強度を、蛍光光度計にて決定した。]
[0099] 1.2.2 結果
試験された最も低い濃度では、L−4チアゾリルアラニンは、わずかにカルシニューリン活性を増加させ、0.0001%重量/容量の濃度では活性を6%増加させることが分かった。しかしながら、L−4チアゾリルアラニンの濃度を増加させると、カルシニューリン活性が量依存的に阻害され、0.001%及び0.01%の濃度では活性がそれぞれ11%及び63%低減されるという結果となった。その組成物のIC−50は、0.064%と見積もられた。これらの結果により、L−4チアゾリルアラニンを含む組成物の局所適用が、炎症性皮膚の状態と関連する症状の改善をもたらすであろうことが示唆される。]
[0100] 1.3 実施例3:β1インテグリン発現のL−4チアゾリルアラニンによる調節
β1インテグリンは、膜貫通インテグリンのヘテロ2量体複合体の一つの構成因子であり、この複合体は細胞外マトリクスタンパク質及び他の細胞との細胞の接着を仲介する。インテグリンは、コラーゲン、ラミニン及びフィブロネクチンを含む細胞外マトリクスの様々な構成因子に結合し得、皮膚の構造的な完全性を維持するように機能する。β1インテグリンの発現の低下により、例えば、老化した及び/又は日焼けで痛んだ皮膚において皮膚の弾力性が低下することが分かっている。]
[0101] L−4チアゾリルアラニンに曝されることによるβ1インテグリン発現への効果を評価するために、全細胞ELISAアッセイを使用した。L−4チアゾリルアラニンに曝されることにより、ヒト繊維芽細胞におけるβ1インテグリンの発現が増加することが明らかとなった。]
[0102] 1.3.1 材料及び方法
細胞培養:ヒト皮膚線維芽細胞(Cascade Biologics)を、3.5x105細胞/mlで60mmディッシュにおいて一晩、増殖用培地(DMEM、5%FBS、1%L−Glut及び1%抗生物質)中で培養した。細胞を増殖用培地で希釈した試験用活性物質又は溶媒コントロールで処理し、37℃で24時間インキュベートした。]
[0103] 全細胞ELISA:L−4−チアゾリルアラニンで以下のように処理した細胞表面上のB1インテグリンの発現を分析するために、Chemicon InternationalからのB1インテグリンキットを使用した。培地を吸引し、プレートをCell Dissociation Buffer(キットに添付される)で20〜25分間37℃にてインキュベートし、細胞を遠心分離して、補填剤を有さないDMEMで再懸濁した。非特異的結合が遮断された、抗−ヒトβ1抗体(Chemicon International)でプレコートされたマイクロタイタープレートに100μlの細胞懸濁液を添加し、そのプレートを2時間37℃にてインキュベートした。細胞染色キット(Chemicon International)によって、使用説明書に従い、接着細胞を定量した。簡単に言うと、プレートをPBSで洗浄し、キットの染色溶液中で、室温にて5分間インキュベートして接着細胞を染色した。染色された細胞をPBSで洗浄し、10分間、空気乾燥した。その後、抽出緩衝液を各ウェルに添加し、そのプレートを分光光度計にて570nmで読み取った。]
[0104] 1.3.2 結果
β1インテグリンの発現変化率を以下の式に従って計算した。]
[0105] 0.01%(w/v)のL−4−チアゾリルアラニンの濃度では、β1インテグリンの発現が225%増加した。この結果により、L−4−チアゾリルアラニンを含む組成物の局所適用が、β1インテグリンの発現増加をもたらし、それによって、皮膚の完全性及び/又は弾力性の向上につながることが示唆される。]
[0106] 1.4 実施例4:フィブロネクチン発現のL−4チアゾリルアラニンによる調節
フィブロネクチンは、皮膚を含む結合組織の構造及び性質を制御する細胞外マトリクスを形成するのを助ける分泌タンパク質である。フィブロネクチンは、(インテグリンを介した、例えば実施例3の)他の細胞及び細胞外マトリクス組成物、例えばコラーゲン、フィブリン及びヘパリン、の両方との細胞の接着を仲介する。このように、フィブロネクチンは皮膚の完全性の維持に必要不可欠であり、特に損傷が治癒する過程において重要である。UV被爆は皮膚中のフィブロネクチンを損傷し、その結果として日光に曝された及び/又はUV被爆した皮膚領域におけるそのタンパク質発現が低下することが知られている。加えて、フィブロネクチンの発現は、老化皮膚の真皮乳頭層において低下することが明らかとなっている。]
[0107] 正常ヒト成人繊維芽細胞からのフィブロネクチンの発現に対する、L−4チアゾリルアラニンの影響を評価するために、競合阻害ELISAアッセイを使用した。L−4チアゾリルアラニンは、量依存的に繊維芽細胞からのフィブロネクチンの発現を増加することが明らかとなった。]
[0108] 1.4.1 材料及び方法
細胞培養:ヒト真皮繊維芽細胞(Cascade Biologics)を増殖用培地(DMEM,5%FBS,1%L−Glut,及び1%抗生物質)中で、12ウェル組織培養プレートにて培養し、37℃で24時間インキュベートした。増殖用培地で希釈された試験用の活性物質で細胞を処理し、37℃で72時間インキュベートした。その後、馴化培地を回収し、フィブロネクチンの存在について分析した。繊維芽細胞培養は、その後さらに72時間インキュベートされた。]
[0109] 競合阻害ELISA:競合的ELISAキット(Chemicon International)によって、試験試料におけるフィブロネクチンの存在を測定した。簡単に言うと、試験試料及びコントロール試料の馴化培地を、室温で約10分間、HRP−共役ウサギポリクローナル抗−ヒトフィブロネクチン抗体とインキュベートした。その後、試料/抗体混合物を、非特異的結合を遮断された、標準量のヒトフィブロネクチンでプレコートされたマクロタイタープレートに移した。このプレートを室温で1時間インキュベートし、その後、PBS洗浄して、当業者に公知の標準的な方法によって、結合抗体を検出した(つまり、結合HRPを検出した)。結合抗体の量は、試料中のフィブロネクチン量に反比例する。]
[0110] 1.4.2 結果
L−4−チアゾリルアラニン処理によるフィブロネクチンの発現変化率は、次の式に従って計算された。]
[0111] L−4−チアゾリルアラニンの濃度を増加すると、結果としてフィブロネクチンの発現及び/又は生成が増加した(表1)。]
[0112] この結果から、L−4チアゾリルアラニンを含む組成物の局所適用することにより結果としてフィブロネクチンの発現が向上し、皮膚の完全性の向上及び/又は皮膚構造の改善をもたらすであろうことが示唆される。]
[0113] 1.5 実施例5:L−4チアゾリルアラニンがin vivoで皮膚マトリクス分子を増加させる
In vivoでのヒトの皮膚におけるコラーゲンレベルに対するL−4チアゾリルアラニンの影響を確かめるため、35〜65歳の約25人の女性に対して試験を行った。このヒトの臨床試験は、施設内治験審査委員会によって承認され、被検者からのインフォームドコンセントを、その試験の開始に先だって得た。この試験は、連邦行政規則集のタイトル21(Title 21 of the Code of Federal Regulations)の第50章および第56章に従って行われた。]
[0114] 0.01%のL−4−チアゾリルアラニン溶液を70:20:10の割合のプロピレングリコール:エタノール:水を媒材として作成した。この試験の実験方法は以下のとおりであった。チアゾリルアラニン溶液又はチアゾリルアラニンを含まない媒材溶液を、24時間、半密閉パッチ下で、皮膚の2×2領域上に(2mg/cm2で)、前腕に塗布した。その後、そのパッチを取り除き、新しいパッチを適用した。これを5日間(月曜から金曜まで)繰り返した。その後、被験者には、週末、休みを与えた。パッチの適用は、次の2週間、同様の方法で実施され、全部で15回適用された。この試験の最後に、そのパッチ適用領域から3mmの皮膚試料を、有資格の皮膚科医によって採取し、ホルマリンに固定し、パラフィンに埋没し、組織学的に処理した。皮膚試料を分割しトリクローム染色で染色して、コラーゲン線維を可視化し、アルシアンブルー染色で染色することによってグリコサミノグリカン(GAG)を可視化した。コラーゲン及びGAG染色の強度を顕微鏡下で視覚的に評価した。チアゾリルアラニン処理部位からの試料を媒材処理部位と比較することによって、18/21(86%)の被検者において、L−4チアゾリルアラニン処理部位におけるコラーゲン染色の増加が観察されることが示された。L−4チアゾリルアラニンで処理された、13/21(62%)の被検者はまた、媒材で処理した皮膚と比較して、GAG染色が増加することが示された。皮膚におけるコラーゲン及びGAGの増加は、次に、線、しわ、堅さ及びたるみといった老化のサインの出現を改善し得る。]
[0115] 1.6 実施例6:カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)のL−4チアゾリルアラニンによる誘導
CGRPは、近年知られた最も強力な血管拡張剤であり、傷の治癒を助けるのに使用可能であること、及び/又は、局所的に使用されると特定の組織への血液循環が増加することは、特に興味深い。]
[0116] 神経細胞からのCGRPの発現に対するL−4−チアゾリルアラニンの効果を評価するために、市販で入手できるCGRP酵素免疫測定法を使用した。L−4−チアゾリルアラニンによって、in vitroでの培養細胞におけるCGRPの発現増加が誘導されることが明らかとなった。]
[0117] 1.6.1 材料及び方法
細胞培養:当該分野で知られている所定の方法に従って、神経増殖因子を添加したFK12培地中でPC−12細胞を培養した。PC12細胞は、ラットの褐色細胞腫に由来し、神経増殖因子に曝されることによって最終的に分化する。細胞が一旦分化し始めると、それらはCGRPを発現する。さらに24時間L−4チアゾリルアラニンを含む培地中で、培養物をインキュベートし、その後、馴化培地を回収して、CGRPの存在に関して分析した。]
[0118] CGRP免疫測定法:サンドイッチELISA免疫測定キットによって、試験試料中のCGRPの存在を測定した。簡単に言うと、試験試料及びコントロール試料の馴化培地を、アセチルコリンエステラーゼ共役抗−CGRP抗体(「トレーサー抗体」)と混合して、その混合物を、非特異的結合を遮断された、モノクローナル抗−CGRP抗体(トレーサー抗体とは異なる、CGRPのエピトープに結合する)でプレコートされたプレートに添加した。その試料をプレート中でインキュベートし、そのプレートを洗浄し、当該分野において知られている所定の方法に従って、エルマン試薬を用いて結合したアセチルコリンエステラーゼ活性を決定した。その試薬の吸光度を、試料中のCGRPの濃度と比例する。]
[0119] 1.6.2 結果
L−4チアゾリルアラニン処理によるCGRP発現の変化率を、次の式に従って計算した。]
[0120] 0.01%のL−4チアゾリルアラニンの濃度で、CGRPの発現が69.93%増加した(p<0.05)。この結果により、L−4チアゾリルアラニンを含む組成物の局所適用が、CGRPの発現増加をもたらし、皮膚の修復の改善及び全般的な皮膚状態の改善につながることが示唆された。]
実施例

[0121] 本明細書において引用された、特許出願及び刊行物を含む全ての文献は、それぞれ個々の文献の記載全体が本明細書に記載されているものとみなされる。
以下に本発明とその実施態様をまとめて記載する。
1.化粧品として許容できる媒材中に、有効量の、LOXL−1を強化する非タンパク質性アミノ酸又は該非タンパク質性アミノ酸誘導体を含む、エラスチン減少に由来する皮膚状態を処置するための化粧品組成物。
2.上記非タンパク質性アミノ酸が、式Ia:



(式中、nは0又は1の何れかであり、
Zは、単結合、酸素、硫黄、NRN、C1〜C6のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、カルボニル、カルボキシル及びカルバミルからなる群から選択され、ここで、RNは水素、C1〜C6のアルキル、アルケニル、アルキニル又はアリールであり;
Yは、C、CH、N及びNRNからなる群から選択され、ここでRNは水素、C1〜C6のアルキル、アルケニル、アルキニル又はアリールであり;及び
Qは、Yを含む3〜10員のヘテロ環又は環系であり、前記環又は環系中に少なくとも一つのヘテロ原子を含み、該環系に結合した少なくとも一つのR1で任意に置換され、ここで、前記ヘテロ原子は酸素、窒素又は硫黄から選択され、R1はそれぞれ独立して、水素、ハロゲン;−OH;−NH2;−NRNRN;−SH;−CN;オキソ;−CHO;−CO2H;−O−(C=O)−H;−O−(C=O)−C1〜C10アルキル;−O−(C=O)−Ar;−(C=O)−O−C1〜C10アルキル;−(C=O)−O−Ar;−(C=O)−NRNRN;−O−C1〜C10アルキル;−O−Ar;−S−C1〜C10アルキル;−S−Ar;−Ar;−C1〜C10アルキル;−NRN−CHO;−NRN−(C=O)−C1〜C10アルキル;−C1〜C10アルキル−O−C1〜C10アルキル;パーフルオロアルキル;エポキシ;アジド;チオシアネート;−SO2−RN;及びニトロ;からなる群から選択され、RNは水素、C1〜C6のアルキル、アルケニル、アルキニル又はアリールであり、置換基が2つのRNを含む場合、それらが共同して環を形成してもよい;)
で表されるヘテロ環基を含むα−アミノ酸又はβ−アミノ酸であり、
但し、式Iaの化合物がL−ヒスチジン又はL−トリプトファンではない、
上記1に記載の組成物。
3.Qが芳香環を含む上記2に記載の組成物。
4.Qが5又は六員環である、上記2又は3に記載の組成物。
5.Qが五員環である、上記2又は3に記載の組成物。
6.YがCである、上記2乃至5の何れか1項に記載の組成物。
7.Qが、上記環内に窒素原子を含む上記2乃至6の何れかに記載の組成物。
8.任意の置換基R1が、独立して、ハロゲン、−OH、−NH2、−SH及び−CH3からなる群から選択される、上記2乃至7の何れかに記載の組成物。
9.Zが単結合を示す、上記2乃至8の何れかに記載の組成物。
10.nが0(ゼロ)である、上記2乃至9の何れかに記載の組成物。
11.nが1である、上記2乃至9の何れかに記載の組成物。
12.式Iaの上記非タンパク質性アミノ酸がL構造である、上記1乃至11の何れかに記載の組成物。
13.式Iaの上記非タンパク質性アミノ酸がD構造である上記1乃至11の何れかに記載の組成物。
14.上記非タンパク質性アミノ酸が、式Ib:



(式中、
nは0(ゼロ)又は1であり;
Zは単結合又は(CH2)kユニットであり、ここで、kは1〜3の整数であり;
Yは、C、CH又はNであり;及び
T、U、V及びWは、独立して、CH、CR1、N、NH、NRN、O又はSから選択され、ここでR1は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン;−OH;−NH2;−NRNRN;−SH;−CN;オキソ;−CHO;−CO2H;−O−(C=O)−H;−O−(C=O)−C1〜C10アルキル;−O−(C=O)−Ar;−(C=O)−O−C1〜C10アルキル;−(C=O)−O−Ar;−(C=O)−NRNRN;−O−C1〜C10アルキル;−O−Ar;−S−C1〜C10アルキル;−S−Ar;−Ar;−C1〜C10アルキル;−NRN−CHO;−NRN−(C=O)−C1〜C10アルキル;−C1〜C10アルキル−O−C1〜C10アルキル;パーフルオロアルキル;エポキシ;アジド;チオシアネート;−SO2−RN;及びニトロ;からなる群から選択され、ここで、RNは水素、C1〜C6のアルキル、アルケニル、アルキニル又はアリールであり;
上記環が任意に芳香族であり、又は0、1若しくは2個の二重結合を有してもよい;)
で表される五員のヘテロ環基を含み、
但し、式Ibの化合物がL−ヒスチジンではない、
上記1に記載の組成物。
15.Zが単結合を表す、上記14に記載の組成物。
16.YがCである、上記14又は15に記載の組成物。
17.T、U、V及びWの少なくとも一つがN(窒素原子)であり、
但し、T、U、V及びWの全てがN(窒素原子)であることはない、
上記14乃至16の何れかに記載の組成物。
18.N(窒素原子)ではないT、U、V及びWの少なくとも一つが、O、S、NH又はNRNを表す、上記17に記載の組成物。
19.nが0(ゼロ)である、上記14乃至18の何れかに記載の組成物。
20.nが1である、上記14乃至18の何れかに記載の組成物。
21.式Iaの上記非タンパク質性アミノ酸がL構造である上記14乃至20の何れかに記載の組成物。
22.式Iaの上記非タンパク質性アミノ酸がD構造である、上記14乃至20の何れかに記載の組成物。
23.次式:



(式中、ε1、ε2及びε3は、独立して、N、NH、NRN、S及びOからなる群から選択され、
結合部Yがε1、ε2又はε3である場合は、YはNを示し;
ここで該結合部ではない炭素原子群が、任意にR1で置換されてもよく;
ここでR1は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン;−OH;−NH2;−NRNRN;−SH;−CN;オキソ;−CHO;−CO2H;−O−(C=O)−H;−O−(C=O)−C1〜C10アルキル;−O−(C=O)−Ar;−(C=O)−O−C1〜C10アルキル;−(C=O)−O−Ar;−(C=O)−NRNRN;−O−C1〜C10アルキル;−O−Ar;−S−C1〜C10アルキル;−S−Ar;−Ar;−C1〜C10アルキル;−NRN−CHO;−NRN−(C=O)−C1〜C10アルキル;−C1〜C10アルキル−O−C1〜C10アルキル;パーフルオロアルキル;エポキシ;アジド;チオシアネート;−SO2−RN;及びニトロ;からなる群から選択され、ここで、RNは水素、C1〜C6のアルキル、アルケニル、アルキニル又はアリールであり;
ここで、点線は、各環が0、1又は2個の二重結合を有してもよいことを示す)
から選択される五員のヘテロ環を示す、上記1に記載の組成物。
24.存在するなら、R1は、独立して、C1〜C4アルキル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、チオール、ヒドロキシル、C1〜C4アルコキシ、チオアルコキシ、ヒドロキシアルキル、パーフルオロメチル又はハロゲンを示す、上記23に記載の組成物。
25.ε1、ε2及びε3の少なくとも一つが窒素原子を示す、上記23に記載の組成物。
26.上記五員のヘテロ環が芳香族である、上記23に記載の組成物。
27.Qが、



(式中、Xは酸素原子、NRN又は硫黄原子の何れかであり;
R2及びR3は、独立して、水素、ヒドロキシル、F、Cl、Br、I、NRNRN、チオール及びC1〜C4アルキルからなる群から選択され;ここでRNは水素、C1〜C6のアルキル、アルケニル、アルキニル又はアリールであり;及び
ここで上記アミノ酸が、R又はSのエナンチオマーの何れかを含んでもよい)
からなる群から選択される五員のヘテロ環を示す、上記1に記載の組成物。
28.Xが硫黄である、上記27に記載の組成物。
29.R2及びR3がそれぞれ水素である、上記27又は28に記載の組成物。
30.上記非タンパク質性アミノ酸が以下の構造:



を有する、上記1に記載の方法。
31.上記非タンパク質性アミノ酸が、以下の構造:



を有する、上記30に記載の組成物。
32.上記有効量が、全組成物の重量の約0.0001%〜約90%の間である、上記1に記載の組成物。
33.上記有効量が、全組成物の重量の約0.0001%〜約20%の間である、上記1に記載の組成物。
34.上記有効量が、全組成物の重量の約0.001%〜約10%の間である、上記1に記載の組成物。
35.化粧品として許容できる媒材中に、皮膚におけるLOXL−1を強化するのに有効な量のチアゾリルアラニン又はその誘導体を含む化粧組成物。
36.上記チアゾリルアラニンが、L−チアゾリルアラニン又はその誘導体である、上記35に記載の化粧組成物。
37.上記L−チアゾリルアラニンが、L−4−チアゾリルアラニン又はその誘導体である、上記36に記載の化粧組成物。
38.上記L−チアゾリルアラニンが、L−4−チアゾリルアラニンである、上記36に記載の化粧組成物。
39.上記化粧品として許容できる媒材が、油中水滴型エマルションからなる、上記35に記載の化粧組成物。
40.上記化粧品として許容できる媒材が、水中油滴型エマルジョンからなる、上記35に記載の化粧組成物。
41.皮膚中のエラスチン線維の減少に由来する皮膚状態を処置する方法であって、
非タンパク質性アミノ酸又はその誘導体を、LOXL−1を強化するのに有効な量で、皮膚に局所的に適用することをからなる方法。
42.上記非タンパク質性アミノ酸が、カルシニューリン阻害、β1インテグリンの発現増加、フィブロネクチンの発現増加、B−エンドルフィン刺激及びCGRP発現増加からなる群から選択される少なくとも一つの付加的な活性をさらに有する、上記41に記載の方法。
43.上記非タンパク質性アミノ酸が、カルシニューリンを阻害することができる、上記42に記載の方法。
44.上記非タンパク質性アミノ酸が、β1インテグリンの発現を増加させ得る、上記42に記載の方法。
45.上記非タンパク質性アミノ酸が、フィブロネクチンの発現を増加させ得る、上記42に記載の方法。
46.上記非タンパク質性アミノ酸が、B−エンドルフィンを刺激することができる、上記42に記載の方法。
47.上記非タンパク質性アミノ酸が、CGRPの発現を増加させ得る、上記15に記載の方法。
48.上記1乃至40の何れかに記載の上記組成物を皮膚に適用することからなる、該皮膚への効果を証明するための方法であって、
該皮膚への効果が、
(a)小じわ又はしわの処置、軽減及び/又は予防、
(b)皮膚の毛穴のサイズの低下
(c)皮膚の厚み、ふくらみ及び/又は張りの改善、
(d)皮膚の柔らかさ及び/又は柔軟性の改善
(e)皮膚のトーン、輝き及び又は透明度の改善
(f)プロコラーゲン及び/又はコラーゲン生成の改善、
(g)エラスチンの保持及び再構築の改善、
(h)皮膚のきめの改善及び/又は再組織化の促進、
(i)皮膚のバリア修復及び/又は機能の改善、
(j)皮膚の凹凸の改善、
(k)皮膚の艶及び/又は明るさの回復、
(l)皮膚の必須栄養素及び/又は構成要素の補充、
(m)閉経によって後退した皮膚の外観の改善、
(n)皮膚の潤いの改善、及び
(o)皮膚の弾力性及び/又は復元力の向上、
からなる群から選択される、方法。
49.上記1乃至40の何れかに記載の上記組成物を皮膚に局所適用することをからなる、ヒトの皮膚における小じわ又はしわ若しくはたるみを処置し、改善し、及び/又は予防する方法。
50.L−4−チアゾリルアラニンを含む組成物を小じわ又はしわに局所適用することからなる、小じわ又はしわを処置する方法。]
权利要求:

請求項1
化粧品として許容できる媒材中に、全組成物の重量の0.0001%〜90%の、LOXL−1を強化する非タンパク質性アミノ酸又は該非タンパク質性アミノ酸誘導体を含み、該非タンパク質性アミノ酸が、式Ia:(式中、nは0又は1の何れかであり、Zは、単結合、酸素原子、硫黄原子、NRN、C1〜C6のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、カルボニル、カルボキシル及びカルバミルからなる群から選択され、ここで、RNは水素原子、C1〜C6のアルキル、アルケニル、アルキニル又はアリールであり;Yは、C、CH、N及びNRNからなる群から選択され、ここでRNは水素原子、C1〜C6のアルキル、アルケニル、アルキニル又はアリールであり;及びQは、Yを含む三員〜十員のヘテロ環又は環系であり、前記環又は環系中に少なくとも一つのヘテロ原子を含み、該環系に結合した少なくとも一つのR1で任意に置換され、ここで、前記ヘテロ原子は酸素原子、窒素原子又は硫黄原子であり、R1はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン;−OH;−NH2;−NRNRN;−SH;−CN;オキソ;−CHO;−CO2H;−O−(C=O)−H;−O−(C=O)−C1〜C10アルキル;−O−(C=O)−Ar;−(C=O)−O−C1〜C10アルキル;−(C=O)−O−Ar;−(C=O)−NRNRN;−O−C1〜C10アルキル;−O−Ar;−S−C1〜C10アルキル;−S−Ar;−Ar;−C1〜C10アルキル;−NRN−CHO;−NRN−(C=O)−C1〜C10アルキル;−C1〜C10アルキル−O−C1〜C10アルキル;パーフルオロアルキル;エポキシ;アジド;チオシアネート;−SO2−RN;及びニトロ;からなる群から選択され、RNは水素原子、C1〜C6のアルキル、アルケニル、アルキニル又はアリールであり、置換基が2つのRNを含む場合、それらが共同して環を形成してもよい;)で示されるヘテロ環基を含むα−アミノ酸又はβ−アミノ酸であり、但し、式Iaの該化合物がL−ヒスチジン又はL−トリプトファンではない、ことを特徴とする化粧品組成物。
請求項2
前記非タンパク質性アミノ酸が、式Ib:(式中、nは0(ゼロ)又は1であり;Zは単結合又は(CH2)kユニットであり、ここで、kは1〜3の整数であり;Yは、C、CH又はNであり;及びT、U、V及びWは、独立して、CH、CR1、N、NH、NRN、O原子及びS原子からなる群から選択され、ここでR1は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン;−OH;−NH2;−NRNRN;−SH;−CN;オキソ;−CHO;−CO2H;−O−(C=O)−H;−O−(C=O)−C1〜C10アルキル;−O−(C=O)−Ar;−(C=O)−O−C1〜C10アルキル;−(C=O)−O−Ar;−(C=O)−NRNRN;−O−C1〜C10アルキル;−O−Ar;−S−C1〜C10アルキル;−S−Ar;−Ar;−C1〜C10アルキル;−NRN−CHO;−NRN−(C=O)−C1〜C10アルキル;−C1〜C10アルキル−O−C1〜C10アルキル;パーフルオロアルキル;エポキシ;アジド;チオシアネート;−SO2−RN;及びニトロ;からなる群から選択され、ここで、RNは水素原子、C1〜C6のアルキル、アルケニル、アルキニル又はアリールであり;前記環が任意に芳香族であり、又は0、1若しくは2個の二重結合を有してもよい;)で示される五員のヘテロ環基を含み、但し、式Ibの該化合物がL−ヒスチジンではない、ことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
請求項3
Qが五員芳香環又は六員芳香環である、ことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
請求項4
Qが五員環であり、Qが該環内に窒素原子を含み、任意の置換基R1が独立して、ハロゲン、−OH、−NH2、−SH及び−CH3からなる群から選択され、Zが単結合を示す、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の組成物。
請求項5
YがCである、ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の組成物。
請求項6
式Ia又は式Ibの前記非タンパク質性アミノ酸がL構造である、ことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の組成物。
請求項7
Zが単結合であり、YがCであり、T、U、V及びWの少なくとも一つがN(窒素原子)であり、但し、T、U、V及びWの全てがN(窒素原子)であることはない、ことを特徴とする請求項2に記載の組成物。
請求項8
N(窒素原子)ではないT、U、V及びWの少なくとも一つが、O原子、S原子、NH又はNRNを表す、ことを特徴とする請求項7に記載の組成物。
請求項9
式Ibの前記非タンパク質性アミノ酸がL構造である、ことを特徴とする請求項7又は8に記載の組成物。
請求項10
R1が存在する場合、R1は、独立して、C1〜C4アルキル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、チオール、ヒドロキシル、C1〜C4アルコキシ、チオアルコキシ、ヒドロキシアルキル、パーフルオロメチル又はハロゲンを示す、ことを特徴とする請求項1乃至3及び7乃至9の何れか1項に記載の組成物。
請求項11
Qが、(式中、Xは酸素原子、NRN又は硫黄原子の何れかであり;R2及びR3は、独立して、水素原子、ヒドロキシル、F、Cl、Br、I、NRNRN、チオール及びC1〜C4アルキルからなる群から選択され;ここでRNは水素原子、C1〜C6のアルキル、アルケニル、アルキニル又はアリールであり;及びここで前記アミノ酸が、R又はSのエナンチオマーの何れかを含んでもよい)からなる群から選択される五員のヘテロ環を示す、ことを特徴とする請求項1、3又は4に記載の組成物。
請求項12
Xが硫黄原子であり、R2及びR3がそれぞれ水素原子である、ことを特徴とする請求項11に記載の組成物。
請求項13
前記非タンパク質性アミノ酸が以下の構造:を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
請求項14
前記非タンパク質性アミノ酸が、全組成物の重量の0.001%〜10%の量で存在する、ことを特徴とする請求項1乃至13の何れか1項に記載の組成物。
請求項15
前記非タンパク質性アミノ酸が、チアゾリルアラニン又はその誘導体である、ことを特徴とする請求項1乃至14の何れか1項に記載の組成物。
請求項16
前記チアゾリルアラニンが、L−4−チアゾリルアラニンである、ことを特徴とする請求項15に記載の組成物。
請求項17
皮膚中のエラスチン線維の減少に由来する皮膚状態を処置するための請求項1乃至16の何れか1項に記載の組成物。
請求項18
前記非タンパク質性アミノ酸が、カルシニューリン阻害、β1インテグリンの発現増加、フィブロネクチンの発現増加、B−エンドルフィン刺激及びCGRP発現増加からなる群から選択される少なくとも一つの付加的な活性をさらに有する、ことを特徴とする請求項17に記載の組成物。
請求項19
前記皮膚状態を処置することによる皮膚への効果が、(a)小じわ又はしわの処置、軽減及び/又は予防、(b)皮膚の毛穴のサイズの低下(c)皮膚の厚み、ふくらみ及び/又は張りの改善、(d)皮膚の柔らかさ及び/又は柔軟性の改善(e)皮膚のトーン、輝き及び又は透明度の改善(f)プロコラーゲン及び/又はコラーゲン生成の改善、(g)エラスチンの保持及び再構築の改善、(h)皮膚のきめの改善及び/又は再組織化の促進、(i)皮膚のバリア修復及び/又は機能の改善、(j)皮膚の凹凸の改善、(k)皮膚の艶及び/又は明るさの回復、(l)皮膚の必須栄養素及び/又は構成要素の補充、(m)閉経によって後退した皮膚の外観の改善、(n)皮膚の潤いの改善、及び(o)皮膚の弾力性及び/又は復元力の向上、からなる群から選択される、ことを特徴とする請求項17又は18に記載の組成物。
請求項20
前記皮膚状態を処置することによる皮膚への効果が、ヒトの皮膚における小じわ又はしわ若しくはたるみを処置し、改善し、及び/又は予防することである、ことを特徴とする請求項17乃至19の何れか1項に記載の組成物。
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